2015年9月26日土曜日

9月26日(土) 露骨な軍学共同研究の推進が始まった。

2015年9月23日(水)西日本新聞朝刊


 本年度から防衛省は「安全保障技術推進制度」として、最大年間3000万円、総額年間3億円の「研究助成」を開始し、公募がされた。16大学等から応募があったことが新聞その他で報道されている。

 制度の名称も「安全保障」とされており、「安全保障関連法」と同じように、軍事研究的な印象を薄くしている。しかし、マスコミも「軍学共同」に大学関係者がどのように対応するかを注目してきており、9/23の報道に至った。

 軍学共同に対して、どのような態度をとったのか?大学関係からは16大学、58件、独立行政法人等からは、28件、企業から22件、全体で108件の応募。採択は9件であった。慎重に考えている大学が多い中で、応募をした大学は平均34件もの応募をしている。

 私も、無人航空機を使った研究をしており、最も深く関係するところにいる。もちろん、私は軍学共同には反対であり、応募する気は全くない。

 これもまた、安倍政権の「安全保障関連法」の推進と軌を一にするものであることは明らかである。

 理系研究者もまた戦争に動員されようとしているのが現状である。


(理学部 教員)

2015年9月24日木曜日

9月24日(木) 歴史に学ぶ-ナチス・全権委任法の今日的意味-

 安全保障関連法案が可決、成立しました。

 この法律は、法案の段階で「戦争法案」と批判され、その「違憲性」が強く指摘されています。ここでは、80年ほど前にさかのぼってこの法律について考えてみたいと思います。

 1933年にドイツで成立した「全権委任法」第一条には、「ドイツ国法律は、ドイツ国憲法に定める手続によるほか、ドイツ国政府によってもこれを議決することができる」とあります。この条文に基づいて、立法府と並んで、行政府もまた立法権を有することになりました。そして第二条では、「ドイツ国政府が議決したドイツ国法律は、(中略)ドイツ国憲法に背反することが許される」と記されています(ワルター・ホーファー(救仁郷繁訳)『ナチス・ドキュメント 1933-1945』ぺりかん社、1975年)。

 つまり、一内閣の政策は議会を経由することなく法律化され、それはしかも憲法に違反してもいいと規定されたのです。ナチスによる独裁体制が確立する際に、この法律が非常に大きな役割を果したことは言うまでもありません。

 ひるがえって、現在の日本ではどうでしょうか。長年積み重ねてこられた集団的自衛権に関する憲法解釈が一内閣によって変更されました。しかもその変更に基づいて作られた法律に対して「違憲」であるとの指摘があとを絶ちません。合憲論があることは確かですし、政府が自ら解釈を変更することも絶対許されないわけではないでしょう。しかし、ここでは、そのような適法性・合憲性の法律学的評価を問題としたいのではありません。ときの政府が、自らの政策を遂行するために憲法解釈を変え、「違憲」との批判を無視して法律を可決するという日本政治のあり様は、かつてのナチスの全権委任法との比較でどのような意味を持つのでしょうか。

 もちろん、日本を含めたファシズム国家が台頭した時代と現在では国際情勢にせよ、社会環境にせよ、様々な条件が大きく異なっています。現政権に何か特定のレッテルを貼ることは適切ではないでしょう。そして今後、日本でかつてのドイツのように独裁体制が敷かれるかどうかも、全くわかりません。しかし、歴史に学ぶ時、私たちはドイツの例を無視することはできないでしょう。あとから振り返ってみた時に、今回の出来事が民主主義か独裁かを選択するような事態であったとしないためにも、常に政権を監視し、批判の声を上げ続けなければなりません。

 法律は可決されました。しかし、私たちは、職場で、学校で、家庭で、カフェで、居酒屋で、友人や同僚と、家族と、大好きなあの人と、語り続けることができます。民主主義とは何か。70年前、それはどのようにして私たちの手元にもたらされたのか。この間、私たちの暮らすこの国で、民主主義はどのように守られ、育てられてきたのか。私たちはそれを今後、どのように守っていくのか。私たちは、日本国憲法の下で自由に考え、発言し、そして行動することができます。様々な場所でたくさん語り、そしてまた、街頭で声を上げましょう。民主主義を守り、独裁を許さないために。


(法学部 教員)

9月20日(日) 国会前コール「野党がんばれ!」

 採決後の19日もFYMは行動していましたね。

 先日の国会前行動で誰かが発言の中で「野党がんばれ!」というコールは、初めて聞いた。と言っていました。

 確かに、新鮮で、まっとうなコール、そして野党も(一部を除けば)本気で頑張っていたと思う。

 もう一つのコールは,賛成議員は落選させよう。

 次の参議院選、衆議院選を見据えてもいる行動だと強く感じました。

 多様な政策の野党が離合集散の再編をするより、多様な野党が協力することで、自民党に選挙で勝つことが出来る、それを感じさせる国会前行動だったと、福岡に戻ってから感じました。

 こんなことを言わなくても、平和を大切にしたかつての自民党や公明党に戻ることを期待しているのはもちろんですが。

(理学部 教員)

2015年9月20日日曜日

9月19日(土) FYM街宣

 FYMの街宣に参加。
 
 若者たちが強行採決に怒っていました。

 そして、闘いは今から始まると口々に叫んでいました。

 今から、日本の民主主義が始まると。

 彼らのリレートークから印象の残った言葉。

 「街宣していて罵声を浴びせられることがあるけど、理想を唱えることが悪いことなのか?」と。

 世界中の若者たちが平和を唱える。
 
 憲法9条は、この理想を求めているのだと。

 彼らの声を聞いていて、学生時代に読んだ戦没学生 の手記『聞けわだつみの声』の一文を思いだしました。




 22歳で戦死した早稲田の学生が残した一文です。

 「今の生活に都合が悪いからといって、批判をすてたなら、かえって、ほんとうの幸福をうしなうことになると思います。それがわたしたちの教養というものではないしょうか。大きく一国とか人類の立場からいえば、それは学問です。教養のない国がどうして立派に幸福に、なれるでしょうか」。

 理想を求めるからこそ今の政治を批判する。それが教養であり、学問なんだと。

 あらためて、学問とは何かを教えてもらいました。

 FYMの学生たち、ありがとう。

(人文学部 教員)